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生産者紹介

野菜は大の苦手…な私が野菜農家になった理由

はじめまして。佐久間農園の代表、佐久間 聡と申します。現在は野菜農家をやっている私ですが、実は子どもの頃から20代前半まで、野菜が大の苦手でした。学校の給食も完食するのに時間がかかり、しょっちゅう居残りをさせられるほどでしたから、まさか将来野菜農家になるだなんて、もし当時の自分に言ったとしても、きっと信じられなかったと思います。

そんな私が野菜農家になったきっかけは、父の死と自身の病気でした。18歳の時に父が45歳の若さで亡くなり、その3~4年後には私自身も脳の病気を患いました。もちろん、野菜を食べなかったから病気になった、という単純な話ではないのですが、「もっと健康管理を意識しなければ…」という危機感が芽生え、意識的に野菜を食べるようになりました。すると不思議なことに、あんなに嫌いだった野菜が、少しずつ美味しいと感じるようになりました。野菜独特の青臭さや苦味も、爽やかな「風味」として楽しめるようになり、無事、長年の野菜嫌いを克服することができました。

オーガニックやマクロビオテックへの興味

きっかけが健康面の不安だっただけに、私はその後、より健康的な食生活を目指して様々な本を読み漁ることになります。その中で、オーガニックやマクロビオテックなどの考え方に出会い、生活の中でも実践するようになりました。
それと同時に、私は転職についても考え始めていました。脳の病気を患った関係で、当時勤めていた建築業(高所での作業をともないます)の仕事を続けるのは難しかったためです。外で体を動かしながら働けるという点で建築業の仕事は気に入っていましたから、今後もそういった職業で健康的に働きたいなという想いがありました。いろいろなことを検討したうえで、私は就農を決意します。

農業は、実はとってもクリエイティブな仕事

農業は、実はとってもクリエイティブな仕事

話が少しそれますが、私は若い時に美容師免許を取得しています。ゼロから何かを作りだすクリエイティブな作業が好きで、美容業界を目指していたのです。一般的に、農業に対して「クリエイティブ」という印象を持つ人はあまりいないと思います。ですが、食に関していろいろと調べるなかで、農業にもいろいろなやり方があることを知りました。

その中で私が特に強い興味を持ったのが、自然の生態系を活かした化学肥料不使用の農法です。農薬や化学肥料は、害虫を防いだり、野菜を大きく育てたり、といった目的のために使われます。そのため、「虫食いがあるのは安心・安全の証」とも言われるように、野菜の安全性とそれ以外の質は、二者択一のものと考えられがちです。ですが、野菜は植物ですから、もともと地球に存在する生態系を上手く活用することで、化学肥料や農薬に頼らずとも、それらの問題をクリアすることは可能なのだということを知りました。一口に「無農薬栽培」と言っても、単に「農薬を使わない」こと以上にこんな可能性があるのかと、大変感銘を受けました。野菜を育てる以前に、種や土、農園全体の環境もゼロから作り上げていくというところにクリエイティブ性を感じ、農業をするならコレだ!と思いました。

農業の、野菜の魅力を発信していきたい

農業の研修を受けていた頃、ある農家さんにお世話になりました。その農家さんは育てた野菜を持って、自分の足で地域のご自宅をまわり、お客様とコミュニケーションを取りながら野菜を売っていました。お客様は、家族の話や最近あったできごと、体調などについて話します。農家さんは、「今年は天気が良くて野菜が大きく育った」「こんな工夫をしているんですよ」など、その野菜が育った背景をお客様にお伝えします。農家さんは、自分がどんな人のために野菜を作っているのかが知れる。お客様は、自分が食べる野菜がどうやって作られているのかを知れる。とっても素敵な関係性だと思いました。

現在はありがたいことに、インターネットを通して商品を全国にお届けし、情報発信も容易にできる世の中になりました。対面でのコミュニケーションは難しいですが、当農園の無農薬野菜を購入し、食べてくださるお客様の存在は常に意識しながら、心を込めて栽培しています。同時に、私たち農家がどんな工夫を行い、どんな想いで農業に取り組んでいるのかということも、皆様にお伝えしていきたいなと思っております。

佐久間農園のホームページを通して、農業や化学肥料不使用の野菜づくりに興味を持ってくださる方がいましたらとても嬉しいです。今後も様々な情報を発信してまいりますので、是非ご覧ください。

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